そして――――
『佐藤、髪切るの?』
『えっ?あぁ、ずっと長いからさぁ、こういうの見てたら切ろうかな?とか思うんだけど…なかなかバッサリいくのは勇気なくてさ』
『佐藤は短くても似合う気するけどなぁ』
『そうかな?』
『うん、切ってみれば?』
『うーん…』
数日後のとある休み時間。
雑誌を見ながら髪を切ろうかなぁなんて考えていた時。
クラスメートの牧野があたしの机の前の席に勝手に座ってきて。
あたしが見ていた雑誌を取り上げながらそう言ってきた。
『絶対似合うって、ボブ』
『思い切って切っちゃえよ』
そして悩んでいたあたしに、何度も繰り返すようにそう言った。



