『――…って、実は甘えたがりでしょ』

『何でそう思うの?』

『最近はやけにベッタリしてるから』


微笑んだ君は、やっぱり誰だかわからなくてモヤモヤした。



『でもそういう――…も、実は嬉しいでしょ』

『何でそう思うの?』

『一度だって嫌な顔しないもん』


似たような会話をまたすると君はまた一段と可愛く笑って言うんだ。

誰だかわからないその表情も愛しく感じるほどに愛を感じるのはどうしてだろう。


『嫌なわけないじゃない。
―――大好きなんだから』










そこで携帯のアラームが鳴ってハッと目を覚ました。


一番最初に目に映ったのは天井でも掛け時計でもない、ハルのドアップ。


さすがにいきなりすぎて、ビックリして言葉も出なかった。

しかも寝起きだし、能が全くと言っていいほど働かない。