気づいたら回りには三木以外の友達も集まっていた。
そのぶん、ハルが気づかれるんじゃないかとハラハラした。
そんな心配、いらなかったけど。
だってこいつは幽霊なわけで、浮いていようが空を飛んでいようが誰も気づかないんだから。
ハルは、俺にしかみえてない。
「悠那ー、今度デートしよ?」
「…やだ。」
「何でよー!?いっつも悠那はそうやって面倒臭そうに断る!」
いや、だって、面倒臭いし。
腕にがっしりと絡み付いてきた田中涼子に顔が引きつった。
好意を持ってくれるのは嬉しい。けど、正直タイプでも何でもない。
沢山のピアスにクルクルに巻かれたロングの金髪。化粧はそこそこ濃いけど涼子らしい。
でも、俺の好みじゃないし。
金髪より暗めの髪がいい。化粧もナチュラルで、ていうかスッピンでもいいんじゃね?
涼子とは正反対が好みだけど実際付き合う奴なんて理想とは異なると思うからわかんないけど。
とりあえず付き合うのは面倒臭い。それに今、付き合うとかも考えられない。

