ハルが続きの言葉を紡いだとき、屋上の扉が開いた。
―――なあ、ハル。
耳元で囁かれた言葉が何度も繰り返される。
『私、悠那くんがいてくれるなら、大丈夫な気がするよ』
初対面のはずなのに、どこかその微笑んだ表情に懐かしさを感じさせた彼女。
随分前から知っているような感覚に陥った。
―――そんなこと言われたら、おまえのこと本当に1人にしとけなくなる。
一緒にいてやりたくなる。
少しくすぐったい気持ちになりながら突然開かれた屋上の扉に目を向けた。
あれ…?
やっぱり俺、鍵閉め忘れてたのか。
「ゆーうなーっ!」
「またサボってるのかよー、ばかー」
「留年しちゃうよ?」
うるさいのが来た……。
『友達?』
「一応。」
ゾロゾロと揃いも揃ってこっちへ向かってくる俺の友達。
お前ら授業中に何堂々と屋上来てやがんだ。
人のこと言えねー立場だけど。
皆、真面目なのにな。
つーかここ、俺のテリトリーですけど。
何のために鍵盗んで合鍵作ったと思ってんだ。

