あの日、悠の言ってた平均90点にはあと3点足りなかった。

苦手な数学で落としたのが響いた。その他はなかなかいい感じだったけど。



まぁ、約束は約束。



私達の関係は振り出しに戻って、“友達”で落ち着いた。


「ユナ、俺と本気で付き合ってみる?」

「そうしよっか、」

「だめ!絶対だめーっ」


だけど、今回のことで私もやっと自分の気持ちに気づいた。



悔しいけど、私は斉藤 悠が好きなんだ。何よりも、誰よりも。

バカで真っ直ぐなこいつが、どうしようもなく愛おしいと思った。



でも、まだ言わない。

とりあえず、今はこうしてバカ言ってるのが落ち着くんだよね。



いつか、君がまだ私を好きでいてくれたら、その時は私から言ってやろう。


「悠、うっさい」

「……い、今のもっかい!」

「ハル、お前危ないぞ」





end.