少女の話

少女は泣き叫んだ。

一晩中、ぼろぼろと涙をこぼした。

部屋にあるものを手当たり次第に投げつけた。
次々と壊れてゆく。
壁に穴が開く。

利き手で壁を殴った。何度も何度も。
血が出た。
痣になった。



涙が枯れて、その場にへたり込んだ。
枯れたはずの涙がなおも流れてくる。頭をかきむしる。

足元には、壊れた楽器と楽譜。今まで捨てることの出来なかった絵と小説の原稿が、びりびりに引き裂かれていた。



少女は絵を、小説を、音楽を、つくることを、やめた。