「ど、どこなんですか、そこは?!」
「外にタクシーを呼んである。後から、監督もそちらへ向かうそうだ」
星野コーチの言葉を、最後まで聞くことなく、私は走り出していた。
さっきから怪しかった雲行きが、とうとう雨へと変わった。
そのせいで、私の不安は一層増す。
「岡の上総合病院。お願いします」
私は身を乗り出して、少し早口に行き先を告げる。
早く
早く
早く………
麗………
何もありませんように…
麗が無事でありますように……
私は、病院に着くまでの間、ずっと祈り続けていた。
「はい、お客さん。着きましたよ」
大きな建物の前で、車が停車する。
そこには
岡の上総合病院
と、記してあった。


