はじめてのCHU



「もう…何もいらない」

私は自分の部屋に戻った。

何もやる気が出ない。


もう嫌だ。

嫌だ嫌だ嫌だ。


「りく、入るぞ」

「何、何の用」

私は素っ気なく返事をする。

「………ごめんな、りく…」

「何よ」

「確かにりくの辛さなんか全然分かってなかったな。ごめん」

「………」

「父さんだって、好きでしょっちゅう出張してるわけじゃないんだ。もっと、りくや和輝たちと…………」

「何?言い訳しに来たの?だったらもう出てって」

私はお父さんの言葉を途中で遮った。

「りく、冷静になれ。現実を見ろよ」

「は?何?今度は説教??」

「辛い……だろう」

「っ……いきなり何なのよ。お父さんに何が分かるって言うのよ??」

「お前の辛さ…。これでもお前の親なんだ。少しくらい分かるよ」
お父さんが私の頭を撫でようとした。
でも、私はその手を払い退けた。

「分かるって言ってみたり、分かんないって言ってみたり。何なのよ!?早く出てってよ」

「りく……」

「もう一人にしてよ。いちいちうるさいんだよ。ほっといて」