しばらくの沈黙のあとお父さんが、少し遠慮気味に口を開いた。
「麗くん…、転校、したんだってな」
その言葉に私は顔をあげ、目を見開く。
「ははは。何で知ってるの?とでも言いたげな顔だな。」
「……だって」
「実はオレ、麗くんが入院してしばらくした時に、麗くんのお母さんに会ったんだ。」
「……!!!!」
お父さんの口からは、更にびっくりする言葉が飛び出してきた。
「麗くんのお母さんもりくのこと、相当気にかけて下さってたみたいでな。色々話して下さった」
あの日、病院での出来事を思い出す。
私……泣きながらあの場から逃げたしちゃったから………。
また酷い後悔が襲ってきた。
「もう少し早く、伝えられたらよかったんだけど……」
そんな前置きをしながら、お父さんは麗のお母さんと話したことを教えてくれた。
麗にはお父さんがいないこと。
転校は前から決まっていたということ。
麗がずっと私に会いたいって言っていたこと。


