はじめてのCHU


うちへ帰っても私は誰とも会話することはなかった。


それどころか、ただいまやおはよう、行ってきます、おやすみ…………

最低限の言葉すら発することはなかった。

ご飯も喉を通らない。

食欲がない。

寝れない。

常に、魂だけが麗を探している状態が何日も続いた。

「なあ………りく。……最近なんかおかしいよ………?」

うん、知ってる。
今の自分がおかしいことくらい、私が一番分かってる。

「目が………………どこ見てるの…………?」

和輝が心配そうに私の顔を覗き込んで来る。

「…何か…あったんだな。言えよ。聞いてやっから」


ありがとう…和輝。
私は心の中でそうつぶやき、ゆっくり首を振った。


「…でも…りく…」


ふふ、和輝ってこんなお姉ちゃん思いだったけか。


麗が転校したことは誰も知らない。


かと言って言う気にもなれなかった。