隣りのお兄さん

ゆっくり迫ってくる健吾さんの迫力にボクは圧倒されるばかり。
さっきまでの笑顔がウソのようだ。

「昨日の7時頃。おまえは、オレのオナニーシーンをばっちり、見とったハズや」

「……。」

 冷や汗が大量に噴き出る。
ドックン、ドックンと鼓動が高鳴る。

「どうやねん、おぅ? 正直に言えや。ウソついたらどないなるか……」

 健吾さんは傍に落ちていたスチール缶を握り締めた。




 グシャッ!!





 一瞬にしてスチール缶は握りつぶされ、ペシャンコになってしまった。

「ヒッ!」

「見・て・た・よ・な!?」

 血管が浮き出た恐ろしい形相で、ボクに顔を近づけた。
 ボクは、覚悟を決めて白状した。