隣りのお兄さん

「さぁ、入れ入れ!」

 健吾さんは嬉しそうにボクを手招きした。
部室に入ると、運動部の部室というのは汚くて臭そうというイメージがあったが、思った以上に部室はキレイに整理されていたので、少し驚いた。

「うわぁ……」

 100キロもあるダンベルに、よくわからないトレーニング機器がたくさん並んでいた。
トレーニングブックも置いてある。
冷蔵庫には何が入っているのだろう?過去に何度も受賞しているようで、立派な賞状や楯が置いてあった。


「スッゴいなぁ……」

 ボクとは住む世界が違う人々がここには集うんだろうと思っていたら、後ろから健吾さんが

「おい、こっち見てみろよ」

と声をかけてきたので振り向いた。
 その瞬間、ボクは失神して倒れそうになった。
 なんと健吾さんはビキニパンツ一枚になっていたのだ!! それだけではない。
恐ろしいまでに分厚い胸板、ボコボコに割れた腹筋、逞しい二の腕、丸太のように太い太股……。
そのひとつひとつの筋肉が、立派な健吾さんの体を作り上げていた。