隣りのお兄さん

ボクの手を引っ張る健吾さんの手を見て、改めて健吾さんの逞しさを実感していた。
常に熱気を発しているその腕のオーラは、そんじょそこらにいる男の人たちとは比べ物にならないものだった。
そりゃそうだろう。
スチール缶をいとも簡単に握りつぶすのだから。
 さっき、ボクを無理やり勧誘していた人たちも健吾さんの雰囲気に圧倒されていたのかな……。
そう考えると、納得がいく。
 ボーッとしているうちに、健吾さんの足が止まった。

「ホラ、ここ! オレらの部室!」


「えっ……!?」

 掛かってある看板を見て、ボクは絶句した。



 < 北摂津大学体育会ボディビルディング部 >



 健吾さんのやっている部活は、ボディビルだったのだ。