「Love Step」バレンタイン過去編

「杏梨っ!見て!このチョコ可愛いっ!」


香澄ちゃんが指を刺したのは可愛らしい、くまちゃんの形をしたチョコレート。



「食べるのが可哀想になっちゃうね?」



「うん うん これは飾っておいて食べられなくなっちゃうパターンだね」


香澄はそう言うと、杏梨の手を引っ張って別のチョコレートが飾ってあるケースへと移動した。



手を繋いでいないと、すぐにはぐれてしまうほど特設に作られたチョコレートコーナーは混雑している。



香澄は杏梨の手を引っ張って、次から次へと見ていく。



見るのはどれも箱にたくさん入っているチョコレート。



同い年の男の子にあげるには質より量のほうが良いのかな。



ゆきちゃんなら……量より質だよね……。



数個しか入っていなくても、すっごく美味しいチョコレートがいい♪



ぼうっと考えているうちに香澄ちゃんは決めたようで、お店の店員さんに注文している。



さっき、見ていて気になったチョコレートがあった。



平べったい3センチ四方のチョコレートは、甘くなさそうな色をしていてあれなら食べてくれそうなチョコレートだった。



「香澄ちゃん、わたしもチョコ買ってくるね」



「あっ!杏梨っ!」


香澄は呼び止めたが、杏梨の姿は人ごみに紛れてしまった。



ここは女の子ばかりだから大丈夫か……。



香澄はきれいに包装されたチョコレートが入った紙袋を貰った。