「Love Step」バレンタイン過去編

特上のお寿司をほおばりながら、なんとなくママの話になった。



「春樹おじさんに渡すブラウニーを作るのに、朝からママ大変だったんだよ?」



呆れたように言う杏梨に雪哉が笑う。



「いつまで経っても乙女心を忘れていないって言うか……」


そう言いながら、楽しみに取っておいた大トロを箸で持ち上げる。



「杏梨は?杏梨の乙女心は?」



「へっ?」



箸でつまんでいた大トロが飯台の上に落ちる。



ゆきちゃんの切れ長の目がわたしを見て笑っている……。



「わたしの乙女心って?」



「……いや、なんでもないよ 食べよう」


雪哉は飯台に視線を落とし、食べ始めた。



変なゆきちゃん、何が言いたかったのかな?



杏梨は小首を傾げると、落ちた大トロを拾って一口でパクついた。



~~~♪~~~♪



杏梨の携帯電話が鳴った。



「あ!ママだ」


浮かび上がる mama の文字。