「Love Step」バレンタイン過去編

雪哉は杏梨の家へバイクを飛ばしていた。



バレンタインデーにあの2人がデートしないわけはなく、昼間、父親に電話をすると案の定、2人はデート中だった。



「もし仕事が早く終わったら様子を見に行って欲しい」


と、言うのは貴美香さんだ。



デートをしていても杏梨の事が気になるらしい。



「杏梨の様子を見に行くので、気にせずにゆっくりして来て下さい」


そう言って貴美香を安心させたのだった。



ピンポーン


インターフォンの音に杏梨はハッと身を起こした。



「誰だろ……」



インターフォンの画面に行くと、杏梨の顔がぱあっと明るくなった。



「ゆきちゃん!」


パタパタと廊下を駆けて、玄関にすっ飛んで行く。



玄関のロックを解除すると、寒そうな雪哉が立っていた。



「ゆきちゃん、どうしたの?」



まさか来てくれるとは思ってもみなかったから、テンションが上がり頬を上気させていた。



「父さんたち、デートしているからね」



「あーっ!ママったらわたしが心配でゆきちゃんに電話したんだね?」



「そうじゃないよ 電話したのは俺 それより、中へ入れてくれないの?」


あ……まだ玄関に立たせたままだった。