なんだか凄く愛しい。


その声に返事をしようとするのに、声がでない。


体が熱くて、痛くて動かない。

なんで…


愛しい声に返事が出来なくて、悔しくて、悔しくて涙が溢れる。


それでも、返事をしようと声をだす。





『……う……さ…う……砂羽!大丈夫か?』


あ…れ?


「えっ、私…」


『おまえ、のぼせて風呂で倒れたんだよ。』



あ〜、そうだ。
ヤバイから出ようとしたんだっけ。

でも、間に合わなかったんだぁ。


『仲居さんが助けてくれたんだから、よーく御礼言っとけよ。』



そっか、仲居さんが助けてくれたんだ。


「うん、分かった。
充、心配かけてごめんね。」


『心配なんかしてないよ。砂羽は俺より丈夫そうだから。』


「どうゆー意味よ。」


こんなくだらないやりとりを延々してたから、あの愛しい声も、お風呂に入る前の気持ちも忘れていた。