荷物を持とうとする私の手から鞄が消えた。


充が持ってくれた。こうゆうさりげない優しさがくすぐったくって、嬉しくなる。


席もトイレに行きやすいように通路側にしてくれた。


分かっててやってるのか、ただ窓側が良かったのかは今の充を見てると分からないけど。


窓の外を眺めながら無邪気にはしゃいでる。




「ねぇ、お弁当食べないの?」

私の言葉にハッとしてる。どうやら忘れてたみたい。これが最初の思い出なんじゃなかったっけ?
忘れられてるってなんだかなぁ。お弁当も可哀想に。


そう思ってると、お弁当が出てきた。しかも三つ。


『はい、これが砂羽のね。』


お弁当一つが私の前に出てきた。じゃーあと二つは…


「ねぇ、二つも食べるの?」


ん?と美味しそうに食べてる充が口いっぱいにしながら私を見て頷いた。


凄い。こんなに細いのにどこに入るんだろ?
やっぱりスポーツマンは違うんだね。


自分の分を食べながら電車だから、二人だからの感じに着く前から旅行を堪能した気分だった。