待たせるなんて失礼だから私はその不安を打ち消して外に出た。


アパートの前には車が一台停まっていた。

嘘っ!電話が来てから10分も経ってないのに…


慌てて駆け寄る私に気が付いたみたいで車から下りてきてくれた。


「ごっ、ごめんなさい。お待たせしちゃいました?」


『おはよ。全然待ってないよ。慌てなくていいって言ったのに、走ったら危ないよ。』


そう言うと私の顔に黒澤さんの手が近づいてきた。

えっ?何々??

ドキドキしすぎで固まっていた私に彼の手がそっと触れた。

走ったせいで髪がグロスの着いた唇にくっついていたんだ。


一気に顔が赤くなる気がした。
だって恥ずかしいよ。グロスに髪がついてたことも、変な想像したことも…。


でも焦ってるのは勿論私だけ。彼はとても涼しい顔してる。


『じゃ、行こうか。乗って?』

さりげなくドアを開けてくれて案内してくれるそんな所にまたドキドキ。



今日一日で私の心、壊れちゃわないかな?