「ちょっと聞いてる?」

既に酔っ払いモードの私のテンションに引きつった顔で、


『聞いてるよ。それで?』


そう答えてくれたのは充だった。


「だから、黒澤専務と出かけることになったの。何着ていったら良いのかなぁ。」


何回目かわからない同じ質問にいい加減にしろと言い足そうだけど、そんなのお構い無しに私は話してる。


「どんな格好が好きかな?可愛くミニスカートの方が良いかな?それとも大人っぽい方が良いと思う?」


『格好なんか何だって良いだろ。女って面倒くせーな。』


真剣な私を余所に適当な答え。


「ヒドい。もっと考えてくれたって良いじゃん。」


『知らねえよ。会ったことも無いヤツの趣味なんか分かるわけないだろ。何着たって一緒なんだから、好きな格好してけば良いだろ。』



最低!男の子ってつまんない。もっと一緒に盛り上がりたいのにーー。

もー、どうしてこんな日に美香は旅行とか行っちゃうかな。