料理も一通り出終わり、伝票のチェックも済んであとは、お客様の帰りを待つばかりだった。


『お疲れ様、砂羽ちゃん上がって良いよ。疲れたでしょ?』


「専務お疲れ様です。大丈夫ですよ。テンション上がってきたぐらいです。」


ニッと笑うと、可愛い笑顔が返ってきて思わずドキッとしちゃった。


『じゃあ終わったら飲みに行く?あっ、今日はダメだ。貴史と打ち合わせが有ったんだ。残念。』

「オーナーと打ち合わせですか?」


『そうなんだよ。アイツと二人なんてやなんだけどな。』


「そんなことオーナー聞いたら怒りますよ。」


『勝手に怒らせとけばいいよ。』


「またまた。そんなこと言って。なんだかんだ言ったって仲良いですよね。」


『仲良いって…、まぁ付き合い長いから楽ってだけだよ。』


右手で頭をかいてる。

前にオーナーに教えてもらった、専務の照れたときの癖。


楽って言うのもあるんだろうけど、それだけお互いを信頼してるってことですよ。
なんて言うとまた照れちゃうんだろうから言わないでおきますけど。

本当に仲良いんですから。


「ふーん。そうなんですか。」


『何か嫌な言い方だね。まぁいいや。ってことで今から貴史も来るから本当に上がって良いよ。片付けは暇してるアイツにやらせるから。』


無邪気な子供のような顔で、いたずらっ子のようなセリフ。

そんな純粋な所に女の子は遣られちゃうんだろうと、私の中で納得した。

「わかりました。すいません、お先に上がらせて頂きます。お疲れ様でした。」


『はい、お疲れ様。今日はゆっくり休むように。
近い内に一緒に飲みに行こうね。』


ハイと答え、頭を下げてその場を離れた。



専務と飲み。早くその日が来ると良いなあ。

そして私のことをもっと知ってもらって、私も専務から信頼されるようになりたい。