二人が一緒に出て来たのは、雰囲気の良いオシャレなフランス料理のレストラン。

前に私が行ってみたいって言ってたお店だった。その時サトシは堅苦しい店は嫌だって言ってたのに…


何で?


私とは行けないけどその女とは行けるの?




昼間感じた不安がまた襲ってきた。





『オイ、シカトしてんなよーって、えっ??』


いきなり肩を掴まれて振り返させられた。
そして佐野さんの驚いた声で我に返った。


『お前何て顔してんだよ。』


心配して覗いてくれる優しい瞳にさっき止まったばかりのモノが溢れてきそうだった。




でもそれを堪えてもう一度サトシの方を見た。



ああ…

もうダメなんだ。そう思った時、


『砂羽。』


佐野さんが私を呼んだその声があまりにも大きくて、サトシの耳にも聞こえたみたいで振り返ってた。