私の頭と心はぐちゃぐちゃになっていた。


ボーっと彼らの出て行った入口を見ていた。



それも無意識に。



充に声を掛けられて、やっと意識を現実に戻せた。


『オイ、どうしたんだよ?』


心配そうな顔。



充にはわからない。

私がどうしてこんな表情なのかなんて。



だって黒澤さんの顔なんて知らないから。



まさか、今から私が会いに行こうとしてた相手が目の前にいたなんて。


そして、実は結婚してたなんて…。



全身の力が抜けて、思わずその場に座り込んでしまった私に、慌てて手を差し出し起こしてくれた。


ソファに腰を掛け、今有ったことを整理しようとしたけど、出来なかった…。



まるで夢をみてるかのように、思考がついていかない。



そんな私を相変わらず心配そうに見ていたのは充だった。