「僕は優哉(ユウヤ)
君は?」
「…圭(きよ)…」

「かわいい名前だね」

「ありがとう…」

すると、さっきたで大雨を降らせていた雨雲はきえ、空からは眩しいくらいの、青空が立ち上った。
あじさいにたまった雫はポタポタと垂れ
大きな水溜まりを作っていた。
そんな静かな場所に大きな叫び声がきこえた。

「圭―!!」
「どこだ―圭!―」

目が見えない彼女は
必死で立ち上がった。


逃げようと必死の圭を黒い服を着た男の人がつかんだ。

バシッ!!!!


不吉なおとが辺りに響いた。

圭が黒い服の男に頬を叩かれたのだった。