NO1.止まない雨はない



-あなただけ-

むせかえる
夏の匂い

どしゃ降りの雨のなか

君の姿だけが
はっきりとみえた…

__________
サァ---""

今日も朝から雨ばかりだ。
そんなことを思いながら田舎のバス停で古びたバスを待っている俺の前に、彼女はいきなり
姿を現した_…

一目惚れだった
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

彼女は僕の横に座り、
「あなたも雨宿りですか?」
なんて話しかけてきた。
「はい-」
なんて答えながら、僕の心の中はドキドキがおさまらず、いまにも破裂しそうだった。

…黒い髪に
長いまつげ
白い肌
赤い唇…
まるで
この世のものとわ
思えないほど……

「ねぇなんでもいいからはなし て」
「えっ?」
「あなたのこと聞かせて」

最初は緊張したけど、おれは話した。
くだらないことばかり。
どうでもいいこともたくさん…
それでも彼女は笑ってくれて…
だから、どうしたら
もっと君が
喜んでくれるのか
笑顔でいてくれるのか、

僕の心は…
それだけで
いっぱいだった…



「雨、強くなってきたね…」



……あぁそうか………
雨がやんだら
この時間も終わってしまう…


「もっと…」