そう言われても、もう癖のようなもので

それからも私は変わらなかった。



いつの間にか
高階君が来てから1週間が過ぎていた。



気付いたら もっと彼のことを知りたいと思っている自分がいた。


こんな気持ちは初めてで

それが何という感情(モノ)なのか
私には分からなかった。






そんなある日

私は1人の男子に屋上に呼び出された。






「一条さんのこと
前からいいなと思ってて

それで
よかったら付き合って欲しいんだけど」



知らない人からの

突然の告白。




またか…

心の中でため息をつく。


でも表面上は


『ごめんなさい

気持ちはすごく嬉しいんだけど…』


そう申し訳なさそうに言って



『でも


好きになってくれて

ありがとう』




笑顔で告げる。


いつもの事だ。


そう

ここで諦めてくれるはずだった。





でも



『!!』


突然腕を捕まれ、言われる。



「…最後にさ
思い出ちょうだいよ」



『思い出?』


「そう
諦めるから

キスさせて」


『!?』


『ちょっ

待って…』



さすがに焦る私。


でも

力で勝てるはずもなく、顎を掴まれ上を向かされる。



「一条さんなら 笑って許してくれるよね…?」



そう言って顔を近付けてくる。





やだっ



―‥くん…!!





バンッ



屋上のドアが思い切り開いた。



そこに立っていたのは


『た…かしな……く…ん…』


真っ先に頭に浮かんだ人だった。




「てめぇ

何やってんだよ」


「あっ
こ これは…」

「出てけよ


二度と麻由香に近づくんじゃねーぞ」