扉の鍵が、カチャ…と鳴ったような気がして目が覚めた。

握り締めていたケータイで時間を見ると8時。

…8時ー!!キャー、遅刻する。ちゃんと行けって言われたのに…。

慌てて布団から出ると、その場でパジャマを脱ぎ捨てて、着替え始めた。

――着替え終わって、顔を洗おうと台所へ向かうと、扉の前で靴も脱がずに突っ立ったままの誠がいた。

顔を洗いながら、

「あ、おかえり。ごめん、遅れそうだからほったらかしで悪いけど…行ってきます。」

と家をでた。



後に残った誠は、聖良のあまりの勢いに呆気にとられ、呆然として、「せめて布団ぐらい片付けろよ…。」と呟いた。

あー眠…。面倒くせえなあ。もういいや。このままあいつの布団で寝よ。

ジャンパーを脱いで、そのまま布団に潜った。

あれ…甘い匂いがする。あ…そっか。あいつの匂いか…。

そのまま眠りに落ちていった。