学校に着くと、今まで一緒に夜遊びしていた仲間のリーダー、久美に声を掛けられた。

「なあ、聖良。昨日、あんたの兄貴に会ったよ。」

「え…。どこで?」

「うちらがよく行くあのガード下。」

「そ…そか。…何か…言ってた?」

「しばらく会ってないから元気にしてるか…て。」

「…ふ…ふうん。」

「…あんたさ、土日は熱で看病してもらったって言ったじゃん。

でも、あんたの兄貴はそんな事知らないみたいでさ。

聖良、…うちらに嘘吐いてんの?」

「そんなんじゃ…。」

「じゃあ、どういう事だよ。それに家にあんたが帰って来ない…て。説明しろよ。」