「…セーター着てGパンなんて、分かるわけない…。」
「ああ、そんなに違ってた?あ、そうだ。もう7時なんだけど、歩けるなら送って行くよ。もう一度家に連絡入れてみて?」
「…いいよ。連絡なんて。どうせ誰もいないんだから。」
「……。」
「さっきよりマシになったから一人で帰れる。ありがと。」
ソファーから降りて、二、三歩 歩いたところで膝からガクンと落ちた。
「あー、ほら危ない。やっぱ無理じゃん。できればタクシーで、と言いたいとこだけど、給料前でお金ないから、悪いけど最寄り駅まで電車にしてくれる?」
そう言って、腕を掴んでしっかりと支えながら引っ張って行く。

