誠の家に着いて鍵を探してみたけど、見当たらない。

「あれ、…どこに置いたっけ?」

「ここにあるよ。」

そう言って、鍵のキーホルダーについたリングの部分を持ち上げて、プラプラさせた。

「え…何?もしかして、持ってたのに持ってないって言ったの!?」

「さあね。これ、どうしても欲しい?」

「返して!」

鍵に飛び付いて奪おうとするけれど届かない。

何度もするうちにくたびれてきた。肩で息をする私に、「俺の話、聞けよ。」と言った。

「何よ!」

横目で睨んだ。

「提案その1。俺とこの部屋、ルームシェアしない?」

「ルームシェア?」

「そ。間借りしないかって言ってんの。」

「何でよ。」