店員に教えてもらった道を行くと、よく知ってる通りへ出た。
「あー、良かった。これで帰れる。」
いそいそと家へ向かった。
寒かった。早くベッドの中に潜ろうっと。電気がないと暖房器具も使えないし、不便たらありゃしない。
家に着いて扉を開けようとドアノブを引いた。
ガチ…
あれ?あ、そうだ。鍵…。は…肝心な事忘れてた。鍵、置いてきちゃった。私ってバカ…。今更戻れないし…て、道分かんないし。こういうの途方に暮れる…て言うの?窓かどっか開いてないかな…。
家の回りを見てみたけど開いてる窓はない。二階は…確かめるまでもない。全部閉めて出掛けたんだから、開いてるわけがない。
扉の前でしゃがみ込み、膝におでこをつけてため息をついた。

