目が覚めるとキッチンの方で、コトコトと鍋で何やら炊く音や包丁のトントントンというリズムの良い音が聞こえる。

朝食の準備をしているのだろう。誰かが台所で料理をする姿なんて久しぶりだ。

何となく嬉しくて、後ろ姿をじっと見ていた。

ふいに振り返った彼と目が合ってしまい、じっと見つめていたことを悟られたくなくて、慌てて頭まで布団を被った。



「おはよ!どう気分は?」

頭まで被った布団を少しだけずらして目を覗かせた。

「…お…おは…よう…。」

「どれ?」

とおでこに手を当てた。