翌朝、伝えられたのは



『父さんの仕事の事情で、
 私だけあの丘で暮らす』



全てを聞いてしまった私は
それが嘘だと知っていたけれど
何も言わず首を縦に振った。



「・・・・そう、よね
 昔からエリスはあの場所が好きだったもの。
 それはそれで、いいのよね・・・・」



ボソボソ呟く母さんは、悲しいけれど
小さく見えたのは、気のせいじゃない、
私のせいだから。
もう父さんと母さんの迷惑をかけたくない。



「生活費は送るよ」



父さんは、それだけ伝えると
目も合わさないまま母さんの肩を抱き
部屋を出て行った。