魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~





14歳にはなったものの、
今時、というような恋も友情もしない。
というか、出来ない。
するつもりもないけれど
人間そのものと関わらないから。



服装も、真っ黒。
目立つのはよしておきたい。
どうせ陰口を叩かれるだけ。
出かけるときも真っ黒なマントで
体を覆った。





「あなた、私もう無理よ、限界。
 エリスが異常になったのは私のせい?」



母さんの珍しい、金切り声。
思わず聞き耳を立ててから
聞かなきゃよかったと、後悔。
でも、意外と母さんの言葉達は
心臓を暴れさせて。
足が、動かなかった。




「みんな、みんな言うの、
 私がおかしいから、
 娘もおかしいんだって。
 町を歩くだけで皆私を観るわ。
 コソコソコソコソ、
 ちらりと見て影で話すの。
 前、あなたは言ったわ。
 我慢すればいいって。
 そうしたらみんな笑ってられるって」




涙をぼろぼろ流しながら。




「・・・・・・いつまで我慢すればいいの?
 もう何年も待った。
 なのに、一つも変わりやしない。
 むしろ酷くなる一方で、
 私達・・・・笑えてるの?」