魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~






グエンさんは前を見つめた。



「ホントに来るのか?」



その表情は苦笑いで、ほんの少しだが、
疑いを持っているらしい。



「多くの気配が迫っている」



相変わらず淡々とした口調で呟くと
ベリルさんは口の中で何かを呟く。
これは―――詠唱、か。
しかもブレス(祝福)・・・・・。
さすが、ですね。



「!お・・・・・・・?」



ベリルさんが言い終わると同時に、
グエンさんに右手を少し示すと、
彼の体は淡い光に包まれた。



「なんか軽くなった気がする」



淡い光が消えると、
グエンさんは自分の体を見回す。




「プレスの魔法をかけた」


「そいつは有り難い」