魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~






「いいからどこかで張っていろ」


「んん~タダじゃイヤ」



「・・・・・・」



ほら来た、
コレ。コレだ。
彼女の挑むような目線はオトコを欺く。
皆・・・・・堕ちるから。




「これが終ったら相手をしてやる」


「!ホント!?」



彼は本気で呆れていたが。
了承した瞬間、エオスは飛ぶように喜んで。



「解ったら行け!」


「約束よ~」



ふふん、ふふん・・・・なんて鼻歌を歌いながら
私達の前を去っていくエオス。



エオスが、嬉しいのなら
私も嬉しいけれど・・・・その・・・・



「・・・・・・いいの?」



ベリルさん。
どちらかというとエオスを嫌っていたし、
緊急事態だからとはいえ、
さすがに・・・・・嫌なんじゃ・・・・・



「今はグダグダしている時間はない」



厳しく、遠くを見据えながらそう呟く。
でもその声はしっかりと、ハキハキとしていて。



「!」




グエンさんが慌てて走ってくる、姿が見えてきた。