魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~





皆が怪訝な顔で顔を見回し、
その中の一人が私を観、
そう呟く。



「!」



顔が、体が、硬直する。




「エリスの力に引き寄せられたんだ」



声がどんどん大きくなって
私はどんどん、怖くなって



するとベリルさんが叫んだ。



「無意味な事を言っている場合ではない!
 自信の怠惰(たいだ)が招いた事だとどうして気付かない」

 

「どういう意味だ?」



眉間に皺を寄せ、怪訝な表情を浮かべ。




「説明している暇は無い!オークどもはすぐそこまで来ている。死にたくなければ準備をしろ」



ベリルはそう叫び、広場へ馬を走らせた。