頭が真っ白なの、これでも。
冷静に考えられない。
もう、何がどうなって・・・・・?
ベリルさんはそんな暇はない、と言うように
少し苛ついた表情を浮かべたものの
仕方ないと説明しだした。
「この町は長年にわたり平穏を保ってきた。
モンスター共は機会を窺っていたのだよ」
そして、町を襲う機会を――と続けた。
「どうして・・・・・・っ」
「理屈など無い」
どんな種にも敵対的な存在はいる。
そう呟いて、私に手を差し伸べる。
・・・私は、その手を掴み、
ベリルさんの前に乗って。
「今の結界では破られてしまう」
「・・・・・・」
私は思わず唇を噛み締めた。


