魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~






「どうしたの?」




「エオスはどこだ!」




ベリルさんはそういうと、
指笛を鳴らす。




「!エオス?何故・・・・・」




思わず首を傾げる。
そして、すると褐色の馬が
こちらに駆けてくるのが見えて。


彼はその、草原に放しておいたそれに跨り
私を見下ろしてから


「このままでは結界がもたん」


「えっ?」




ベリルさんがそう言った瞬間―――影。
大きな影が頭をかすめる。
まったく、知らない。
これは・・・・どういうこと?



「なに・・・・・?」



「ワイバーンだ。町に向かっている」




「どういう事!?」




町に・・・・・なんて。
そんなの、おかしい。
エオスだって、仮にも私だって、
町の為にしてきたのに。
そんなの・・・・・




「あれは斥候だ。すぐに本隊が来る」




「解るように説明して!!」