あたしの告げた別れの言葉に対して譲は、
「千紗、ごめんな」
と言った。
何に対してのごめん?
ごめんって言うのはね、申し訳ないって思うから言うんだよ。
譲は、申し訳ないって思ってるの?
なんだか少しイライラして。
心の中でトゲトゲしい言葉が渦巻いてた。
さよなら、譲。
ーーーー
素直に言葉を口にするにはあたし達はまだ幼くて。
つい、意地張って。
相手を思いやることよりも、自分の事で必死だった。
本当に子どもだ。
だけど後悔なんてしてない。
あたしは、譲が隣にいない世界で生きていく。
まだまだいっぱい色んな人と出会える。
良い人見つけるの。
幸せを掴むんだから!
ずっと傍にいて、あたしを守ってくれる人がきっといるよね?
それなのに、
『でさー、そいつが…』
あたしの視界に入っているこの男が譲だなんて、どう信じればいいの?


