「入るわけねーだろ。死ぬわ、普通に。すべってその辺から落ちるなって言ってんの」 「あー、はいはい」 最近の高校生活のこととか、うっかり漏らしてしまったオネエのこととか、 他愛もないおしゃべりをしているうちに、窓の外には建物がなくなっていた。 代わりに、 カラフルな紅葉が前にも横にも広がって、日に透けてキラキラしている。 ……キレイ。 「到着ー」 「ひゃー、ホントに久しぶりだなぁ、ここ」 車を降りて、深呼吸。 冷たいけど美味しい空気が、肺いっぱいに満ちて気持ちがいい。