「え? ……な、に?」 びっくりして、動けない。 じっと見下ろしている瞳から、視線をそらせない。 「ハル、兄……?」 小さな声を出すと、距離がぐっと近づいた。 片腕が、すっとあたしの下に通されたから。 「え……? ちょっ、」 あわてても、もう遅い。 決壊した白い柵は、あたしを後ろからふわりと包み込んで。 広いぬくもりへと、引き込んでいた。