「まあまあ疲れたろ?」


「うーん。でも、ちょっとだけ」



なんていうか、不思議なほど清々しいから苦痛じゃない。


一人で鬱々と勉強しているときの気分とは大違いだ。



いつもは夜中まで起きて机に座っているのに、いくらやっても充実感なんて得られないし。


むしろ、ヘンに焦ってるし。



「先生になればいいのに。ハル兄」



思わず、素直な言葉がもれる。



「先生?」


「うん。学校とか、塾の先生。分かりやすいし、人気出そうじゃない? それに、カッコ……、あっ……」



「……? カッコ?」



カッコイイし。なんて、


その言葉までも素直にもれそうになって、あわてて首をふった。



そんなこと言ったら、意識しているみたいで、こっちがカッコ悪い。