「お疲れさまー。入ってもいい?」



気分と調子が上がってきたところで、おかーさんの声がした。


いれたての熱いコーヒーを持ってきてくれたらしい。



けど、
せっかくノッてきた勉強が中断されたことに、イライラがつのる。


ハル兄とおかーさんの昔話が始まったから、よけいに。



「眞緒、どーお、調子は?」



おかーさんのせいで、落ちたよ。


思わず吐き出しそうになったその言葉を、コーヒーと一緒にお腹の中に押し込めた。



「まあ、それなりにいいよ」



代わりの言葉も、そっけなくなってしまう。