ハル兄の教え方は、淡々としている。 鍵盤の1つ1つを順に叩いていくように、正確で、的確だ。 覚えたそれらの音で和音を奏でると、驚くほどキレイな音が出る。 バラバラにして五線譜に散りばめたとしても、音は自然とつながって、メロディになる。 「あー、そっか。だからこういう表現になるのか!」 「意味と理由が分かれば、その前後も解けてくるだろ?」 「うんっ……」 苦手なはずの長文も、どんどん読めていく。 すごい!!