side:HARU
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この、無理やりな笑顔。


どこかで見たな、と考えて、あの新幹線ホームでの出来事を思い出した。




『は、る、兄も、がんばってね。ハルにぃ、なら、きっと……大丈夫だよ。就活も、うまく、いくよ。絶対』




くたくたになりながらも、明るく帰ろうと踏ん張って。




『あ、たしは、ハル兄に……何にもしてあげられない、けど。ごめん、ね』




……いいんだよ、んなこと。


お前は自分のことだけ心配してろ。




『またね、ハル兄……バイバイっ』




拭いてやった鼻水も涙もすっかり元通りな顔で。


それでも精一杯笑って手を振って。



そんな姿に……


オレの腕は、自然に伸びていたんだよな……そういえば。