「泣くなよ。反則だろ?」



ハル兄の手のひらがほっぺに降りてきて。


あの日みたいに、ティッシュであちこちを拭かれまくる。



「明日、お前の顔がパンパンに腫れてたら、おばさんに叱られるのはオレだぞ?」


「う、うん……ぐしゅ」


「もう寝ろ。ベッド、貸すから」


「う、うん……。……え?」


「オレはここで寝るから」


「……」



黙ったあたしに、ハル兄のイジワルな表情が向けられる。



「ひとりで寝れるようになったんだろ?」


「……う、うん」


「じゃ、今日もひとりで寝れるよな?」


「……」



これって……明らかに……いじめられてるよね?