「すごいな、お前」 「……え?」 隣を見上げると、 濡れた前髪の隙間から、ハル兄があたしを見つめてほほ笑んでいた。 さっきまでの強張った顔じゃなくて、ほっぺのゆるんだ、優しい顔で。 「オレとオネエの、両方の道を開いてくれたってことか」 「……あ、いや、そんな大したことじゃ」 褒めてもらってるんだって気づいて、照れくさくなる。