ハル兄がおかーさんに電話をかけているときは、すごく緊張してたけど。
「目標が聞けて良かったなぁ……」
ハル兄が、先生になろうとしてくれていることがうれしい。
ハル兄は、絶対、先生タイプだもん。
きっと、イイ先生に……っていうか、モテモテの先生になるんだろうな。
「でも……女の子にはあんまり教えてほしくないな」
なんてつぶやいて、バスタブのお湯に深くつかり直す。
ハル兄の目標が叶いますように……、そう願い直して。
お風呂からあがったあたしは、借りた服にそっと腕を通した。
大好きなにおいにふわりと包み込まれて、少しだけ、きゅんとした。