「眞緒、風呂入ってこい」


「……え?」


「疲れてるだろ? 寝る準備開始」



ひくついてしまう鼻を片手で隠して、努めて低い声を出す。


ここは一応、年上の威厳を見せておかねーと。



「AでもBでも、どっちでもいいから」



しかし、隠しきれない下がった目尻はどうしようもない。



「まあ、オレもAだと思うけどな。いろんな意味で」


「へ?」


「何でもない。オレは先生になるから。安心しろ」



この、怒ったそぶりが、何時間……いや、何分もつかと考えながら、


オレは、この素直な幼なじみに着替えの服を手渡した。